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 HOMESTUDY > 不定詞の3つの用法と訳し方


不定詞の役割と用法


文型によって動詞の意味が決まることを前回説明しました。文型を考えずに辞書の意味を当てはめるだけでは、機械翻訳並みの意味不明な日本語ができあがります。英文法のテキストは説明用の短い英文しか出てこないので、適当に訳してもなんとかなってしまうケースがありますが、文が長くなれば訳せなくなってしまいます。

このページでは、文型が決まることで不定詞の用法が決まり、用法が決まると意味(訳)が決定できることを説明します。不定詞の用法は、「形容詞」「名詞」「副詞」の3種類しかないので安心してください。


「形容詞」用法:文型のC、Mに入る

「名詞」用法:文型のS、O、Cに入る

「副詞」用法:文の要素にならない。その他のMに入る。

高校の授業では「~」と訳せるから〇〇用法という教え方がされていますが、この考え方は”百害あって一利なし”です。誤訳の原因になるので、間違った方法で訳していたという場合は、正しい手順(文型判断→訳の決定)に修正してください。


不定詞の「形容詞」用法


まずは文型の判断を行います。最初に動詞を探すと、動詞はisが1つだけなので文型はSVまたはSVCのどちらかになります。

Creating mobile apps for smartphone is an easy way to earn money.

Creating mobile appsで1つの名詞です。Creatingの原型はcreate(作るという動詞の原型)なので、そのままではSの位置に入ることができません。そのため、Creatingという動名詞に形を変えています。Creating mobile appで1つの名詞になり、「モバイル用のアプリを開発すること」という意味になります。

英語には「モバイル用のアプリを開発する」という単語は存在していません。もし存在していると、あらゆる単語をつくる必要があるので辞書がとてつもなく分厚くなってしまいます。

存在していなけければ自分で作ってしまいましょう。まず、動詞と名詞を組み合わせてcreate mobile appという句を作りました。しかし、このままではSの位置に入れることができないので、Createにingをくっつけて動名詞にします。そうすれば、名詞のみが入ることを許されたSの位置に置くことができるのです。

Creating mobile appsで1つの名詞、isはもちろん動詞、an easy wayは名詞です。前置詞+名詞は自動的にM(修飾語)になるので、for smartphoneはMで文の要素にはなりません。

SVC文型のCの位置には名詞のan easy wayがすでに入っているので、不定詞のto earn moneyは文の構成要素にはなれません。文の要素になれないことが分かったので、不定詞のto earn moneyはMになります。

文型が決まったので文を訳します。SVC文型の訳はS=Cとなるので、「スマートフォン用のアプリの開発は簡単な手段である」という意味になります。ところで、この訳を見て、「簡単な手段ってどんな手段?」って思いませんでしたか?

Mに分類された不定詞は、形容詞または副詞のどちらかの働きをします。この文では、名詞である「簡単な手段」の説明が必要になるので、不定詞のto earn moneyは形容詞として働くことになります。

形容詞として働くことがわかったので、訳が完成します。不定詞は名詞であるan easy way(簡単な手段)を修飾(説明)するので、「お金を稼ぐ簡単な手段」という訳になります。全体の訳は「スマートフォン用のアプリの開発は、お金を稼ぐ簡単な手段である」になります。


不定詞の「名詞」用法


It took a few centuries for Rome to become the great city.

まずは動詞を探します。そうするとすぐにtookが見つかりました。itがSの位置にある場合、天気の話だったり、強調構文のケースだったりするので、何かあるなと思いながら後ろを見ていきます。a few centuriesは名詞、to become the great cityは不定詞です。For Romeは前置詞+名詞なので自動的にMになります。

ここまでくると、tookの前のItは仮主語で、文のSはto become the great cityであることに気づきます。英語は頭でっかち(主語が長くなる)ことを嫌うので、本当の文はFor Rome to become the great city took a few centuries.という文ですが、主語があまりに長いので仮主語のitをSの位置において、本当の主語を後ろに移動させています。文型はSVOなので、tookの前にある不定詞は名詞用法でなければなりません。(Sには名詞しか入れませんからね)


「大都市になる」という名詞が存在していればいいのですが、幸いなことに存在していません。もし存在していると単語数が膨大に増えてしまいます。

そこで、既存の動詞と名詞を組み合わせてbecome the great city(大都市になる)という句をつくります。ただし、このままではSの位置に入れることができないので、becomeの前にtoをくっつけて、名詞として働く不定詞にします。

動名詞ではダメなの?と思うかもしれませんが、toは方向を示す前置詞で、未来に向けてという意味を含んできます。”大都市になる”というのはまさしく未来の方向なので、不定詞が1番ふさわしい表現になります。

この文の意味は「ローマが世界の首都(大都市)になるには数世紀かかった」という意味になります。becomeの意味上の主語はfor Romeになります。(説明は別の機会に)


不定詞の「副詞」用法


まずは簡単な例文から見ていきましょう。

I am very glad to see you in New York.

動詞はbe動詞なのでもう文型の判断はできますよね。SVC文型でS=C(私=うれしい)となります。to see you は文の要素(S,V,C)になれないのでM、前置詞+名詞のin +New Yorkは自動的にMになります。

to see youの前に説明を加える必要のある名詞はないので、不定詞は副詞として働きます。「うれしい」という形容詞を修飾できるのは副詞しかありません。


「あなたに会えて」という副詞は英語の辞書には存在しないので、ワンパターンのように動詞と名詞の組わせでsee youという句をつくります。このままではMの位置に入れすことができないので、seeの前に不定詞をくっつけて、副詞として働けるようにします。

不定詞の副詞用法は、glad、sadのような感情を表す動詞があると「感情の原因」を示すように訳します。(詳しくは紹介している参考書を参考にしてください)

この文の訳は「ニューヨークであなたに会えるなんてうれしいよ」になります。


To maintain morale and prevent the troops from becoming restive, Hadrian established routine drill.

少し長めの例文ですが、まずは動詞を探しましょう。するとestablishが見つかりました。動詞の前のHadrian(ローマのハドリアヌス帝)はもちろん名詞、routine drillは1つで名詞と考えます。文型はSVOに決まりました。To maintain ~restive,までは文の要素になれないのでMとなります。SSVOなんて文型はありませんからね。

不定詞の「副詞」用法は、「目的」「結果」「判断の根拠」「感情の原因」「条件」のどれかで訳すると、上手な訳になります。「判断の根拠」「感情の原因」の場合は動詞が決まっています。また、通常は文頭に「結果」は来ません。なぜなら、「~という結果になった、ハドリアヌス帝は軍の訓練手順を確立した」では文がおかしくなりますからね。

不定詞を「目的」の意味で訳すと「ローマ軍の士気の維持と反抗的になるのを防ぐために、ハドリアヌス帝は日常訓練手順を確立した」という意味になります。


ついでに副詞用法の「条件」に該当する表現を紹介すると、to tell the truth(本当の事を言うと)などが該当します。


重要!不定詞の用法の見分け方


1.動詞を見つけて、前後の文の要素(S,O,C)を探す
→不定詞の名詞用法が発見できる

2.それ以外はすべてMと判断する。

3.Mに分類された不定詞で、前の名詞を説明する
→形容詞用法を発見

4.それ以外は副詞用法と判断する。

おすすめの参考書


より詳しく勉強したい人には下の英語文法書がおすすめです。

»  英文法の重要性と品詞

»  5つの文型とその訳

»  自動詞と他動詞の違いへ移動する

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